会社で採用活動をおこなう場合と、部下を持つうえで気をつけなければいけないこと

履歴書が立派すぎたり、見せ方が異様に上手すぎる人はスキルにも性格的にも問題のある人が多い

私はWeb業界で採用活動をおこなってこれまで20~30人くらいは面談してきました。全国規模の会社で働いたこともあるため、同僚として接した人は全国で100人近くいると思います。

そのすべての人を見てきて言えることは、履歴書が立派すぎたり、見せ方が異様に上手すぎる人はスキルにも性格的にも問題のある人が多いということです。受け答えもテキパキしているのですが、いざ入社すると性格的に問題がある人もいます。自己PRだけがやたらと上手で、実はスキルがそんなにないことも多々ありました。性格的にというのは「入社していざ業務を始めると、言われたことと違ったことをしてしまったりする」という人です。

「Web制作してきました」「私はコーディングができます」「私はデザインができます」と面談では言うのは当然のことかもしれません。Web業界は国家資格もほぼありません。ですので、本人から提出されるポートフォリオを見て問題ないと思っても、実はメインの担当者が他の人であり、その人はサブのサポート的な作業のみをおこなっており、実はスキルがあまりなかったなんて話もあります。

本当に能力がある人を入社させたいのであれば、実技試験を実施したり、知識がないと答えられない質問をしましょう

一概に、「Web制作ができます」というのも「ただ単にWebページがつくれる」のであれば本を見ながらどんな素人でも可能です。本当に知識があるのか?技術力があるのか?デザイン力があるのか?作業スピードが早いのか?をしっかりと確かめる必要があります。それにはやはり実技試験のようなものを用意した方が良いと思います。そういった準備をしなくて入社させてしまったのであればその会社の採用活動自体に問題があると考えるべきです。

部下を抱えたときに接し方にも気を付けなければいけません

同僚にも言えることですが、まずどんなに忙しくてイライラしたとしても、その感情のままに相手にぶつけてしまっては社会人失格です。これまでとても感情的になって人を傷つけながら叱る人をたくさん見てきました。それにより心を病んで退職する人も見てきました。今の世の中ではそれは完全にパワーハラスメントです。

「ミスをしたらしっかり指摘して叱ること」=「感情的に接すること」ではありません。感情をぶつけるだけで、部下のミスに対するイライラだけが先行して怒りとなってしまう人はマネージメントに不向きです。その切り分けが理解できていない人が非常に多く感じます。感情的になると必要以上に相手を傷つけるような言葉を投げかける人が多いです。正直、そんな感情的になる人は会社のコンプライアンスを遵守できていないことになり、辞めてもらった方が会社のためにも良いと私は考えます。

「怒鳴る」のは時代遅れであり、ナンセンス

今の御時世「怒鳴る」はご法度です。今の20~30代の人は特に必要以上に感情的になった相手から怒鳴られたら「もうこの人と仕事をしたくない」という思考に切り替わります。自分によっぽどの非があると感じているときは致し方ないと納得できますが、「そんなに怒鳴らなくても・・・」という思考になる人も多いです。

「叱る=怒る」ではない

幼稚園や小学校の先生を思い出してみてください。人気のある先生はよっぽどのことがない限り怒鳴りません。感情的にもなりません。しっかりと叱る相手に対して「あなたはなぜ今叱られているのか」を説明してくれます。叱られる側のことを考えて、「どうしたら次から怒られないか」などの改善方法を明確にしてあげることが大事です。逆に人気のない先生は単なる感情の昂り、イライラを相手にぶつけているだけになっていることをみんな分かっています。一方的な怒りをぶつけられ、理由も説明されずに解決方法も導けないようではもはや悪夢です。

ストレス耐性やスタミナ、バイタリティーなどは各個人で違うということを理解する

極端に繊細な心の持ち主で、ちょっとしたストレスが続くだけでも続かない人もいます。一週間残業が続いただけでスタミナ切れを起こしてしまう人もいます。反骨心が高くて叱られても逆に頑張れる人もいれば、叱られたことをズルズルと引きずっていつまでも実力が発揮できないでいる人もいます。

叱ることは期待の表れであると理解してもらう

期待しない人に叱ることはないように、叱ることはそれだけその人に期待しているからこそ「このくらいは理解してほしい」という気持ちの表れです。期待しているからこそつい厳しく叱ってしまうんだよねと一言気持ちを込めて添えてあげるだけでも、「よし、次は間違えないように頑張ろう」という気持ちになってもらえるのではと思います。

マネジメントとして大切なのは、そういった様々な人をどう現場にフィットさせ、ストレスを極力抑えて気持ちよく働いてもらう

マネジメントとして大切なのは、そういった様々な人をどう現場にフィットさせ、ストレスを極力抑えて気持ちよく働いてもらうかだと考えます。叱られ続けるとメンタルがボロボロになって余計にミスを誘発してしまう人もいます。(自分もひどくメンタルが落ち込んで浮上できないでいるときには「なんでこんなミスを?!」と自身でも驚くような時期がありました)

メンタルが落ち込んでいる人を叱るときもケアが必要です。ときには有給休暇で長めの休みを取らせて、ストレスを発散させるなどの対処も必要になると思います。スタミナがなくても確実に仕事をこなしてくれる人には極力定時内で終わらせることができる業務を割り当ててコントロールすることで、数年後にとても貴重な人材になるケースもあります。

日本の企業は能力がある人に仕事を偏らせがちですが、それは重大なパワーロスを生んでいる可能性もあります。というのも、「能力があるから仕事の幅も量も増やす」という方向に持っていきがちですが、そうではなくて「仕事の幅を絞ることで、思った以上の実力を発揮してくれるという人もいる」ということを理解するべきだと思います。今の日本の悪しき慣習はそこにあるような気がしています。

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