どんな仕事も分業制を敷くには理由があるということを身をもって体験した話

これまで21歳のときから本格的にWeb業界の経験がスタートしたのですが、最初はデザイナーで数ヶ月してデザインの引き出しのなさに愕然として挫折し、コーダーにすぐ移籍しました。

その後、コーディングで5年くらい経験し、デザインはフリーランスで副業としてほそぼそとする程度でした。そんななかでも、自分の思ったようにできる自分のサイトは楽しくて仕方がなかったです。しかも、リニューアルするたびにチラホラとデザインリンク集に掲載していただいたり(自薦や掲載依頼などは全くしてません)して、自分のサイト上から仕事をいただくこともしばしばありました。※今はほとんどお断りしています。

その後、デザインをメインにしたくて独立するも途中で断念したりなんたりがあり、東京の制作会社の福岡支店(一人だけ)をさせてもらって、広告代理店を相手に、営業~ディレクター~デザイナー~コーディングまでをおこなっていました。これまでの人生でも最も血反吐を吐くくらい働きました。1週間で睡眠時間の合計が6時間とか(地獄のミサワのよう 笑

その甲斐もあって広告代理店の人やクライアント企業の人、10人以上を相手にプレゼンテーションの機会があっても落ち着いて、かつ自信を持って対応できるようになりました。

今の会社では社員が増え→一気に減り→また増えてという感じで人が増えれば増える毎に、仕事の流れる量も増えていくので営業~ディレクション~デザインまで対応していて、前職ほどではないものの相変わらずめちゃくちゃ大変でした。

業務の幅が広いということは覚えることが多いということ、こなす業務量も当然増えるということ、脳みその思考が縦にも横にも広げなければならないため、やはり体力的にも精神的にもしんどいです。

分かる人は分かると思いますが、これがめちゃくちゃ大事で、人間の思考には限界があって、(1)縦が深ければ深いほど横の幅は広げられない、(2)横の幅が広ければ広いほど深くへはいけない ということを理解しなければいけません。どっちも取ろうとするとスペシャルな人以外は破綻してミスが出たり、身体を壊したりします。ミスして精神的に追い詰められる人も結構見受けられます。(実際自分も責め立てられて暴言吐かれたりもありました)

このことを理解してくれない上司や、「自分はできるぞ」というスペシャルな上司やバイタリティーあふれる上司を持つと、「横の幅が広くて深いのは当然。すべて完璧にこなせ」というブラックな働き方になるわけです。

そういう上司はそもそも社員の能力の違いやキャパシティーを考えていません。あくまで「自分はできるんだからお前もできるだろう」「デキるやつはできる」としか考えていません。社員の適正やこれまでの経験が考慮されず、現在部下が担当している業務量や内容を正しく把握していない人もいると思います。辞められるなら精神や身体を壊す前に辞めた方が良いです。

理想をいうと、各人の性格的に合致している業務範囲であるべきだとは思います。几帳面な人はクオリティーチェックや進行管理をおこなう業務に就くとか、アイデアに溢れる人は企画営業系に就くとか、人と話すのが好きで人付き合いが得意な人は営業やディレクターに就くとか、制作が好きでたまらない人は制作業務に集中できるようにデザイナーやコーダーだけに専念するとか。

人と話すのが苦手な人にディレクターや営業、新人教育をさせるのは意味不明なレベルですし、どうあがいても人には得手不得手があるので、やはり適材適所でその人にとって天職となる領域で活躍することでみんな幸せになれるコツなのではと私は考えます。

Web業界は営業、社外ディレクター、社内ディレクター(クリエイティブディレクター、アートディレクター)、デザイナー、アシスタントデザイナー、コーダー、アシスタントコーダー、ライター、イラストレーター、カメラマンなどの分業が進むのは守備範囲を広げすぎず、定めた範囲内での守備能力を高める(思考を深くする)ことでベストなクオリティーを出せるようになっています。

日本の工業は常に分業制を敷いていて、特殊技能ともいえるほど特定の業務に特化していて驚くほどのパフォーマンスを発揮する職業がありました(今もあると思います)。社員一人ひとりにベストなパフォーマンスを発揮させるためにも、1人の社員が請け負う業務範囲は本人の能力に見合った適正な幅と深さで収めるべきだと思います。「人が育たない」と嘆いている経営者はそこに気付いていないことが多く、どんなに優秀な社員でも本領を発揮することなく離職していくケースが多いようです。

地方の企業ではクライアントの予算が無いためにまだまだ分業が進んでいない会社も多くありますが、そのためにクオリティーが担保できないという悩ましい状況が見受けられます。デザイナーがクライアントと直接やり取りしてたりとかもザラにあると思います。

それはやっぱり良くないです。みなさんのワークライフバランスを保つ(自身の身体を壊さない、会社の犠牲になる人を生まない)ためにも、幸せな人生を送るためにも、業務はしっかりと分業制を敷きましょう。

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