フリーランスのWeb制作者にありがちなのが、手間が増えても追加料金が取りずらいというジレンマ。
クライアントの担当者が、Webサイトに対する理解が高くて優秀であればほとんど手間がかからずに制作できるのに、担当者が「何も決められないし、何も分からない」という方だとWebの考え方や、各種サービスの概念を説明する必要があったり、クライアント社内の連絡系統やオペレーションまで整えてあげないと話が進まなくなったりします。
Googleアカウントを作らないとアナリティクスや各種ツールが利用できなかったり、Webマーケティングとはなんぞやからスタートするクライアントも多数いらっしゃいます。
そこで提案したいのが「Web制作料金の計算を自動化して、どの作業にどのくらいかかっているかをクライアントと共有し、作業を明確化して共有する」というようなサービスorツールがあればいいのではと思います。
(最終的に本当にかかった時間で請求するかどうかは制作者側のさじ加減で多少調整ができるようにしておくことは大事かなと思いますが)
「何にどれだけ時間がかかってどういった作業が大変なのか?」を知らないクライアントに「こういう作業をお願いするとこのくらい時間がかかる」という理解も得られるわけで、要はクライアントを『今はこんな大変な作業をしているよ』という状況に巻き込むことで料金に対する理解を得る」という仕組みです。
コーポレートサイトをリニューアルしたいという相談があったとして、どういうサイト構成案がよいかを自分で考えて来ている人であれば設計がかからないようにできます。クライアントは予算がないのであれば「自分でやれることは自分でやることで料金を減らす」ことが大事だと思います。
作業項目の例を上げておきます。
作業項目 | 作業内容 | 工数 |
---|---|---|
ディレクション (進行管理等) |
|
X人日 |
サイト設計 |
|
X人日 |
トップページ デザイン / コーディング |
X人日 | |
下層ベーステンプレート デザイン / コーディング |
基礎的なパーツの作成
|
X人日 |
下層ページ デザイン / コーディング |
ページ数に応じて変動 | X人日 |
Webサイト運営更新 マニュアル作成 |
X人日 | |
Webサイト運営更新 マニュアルレクチャー |
X人日 | |
各種アナリティクスツール設定 | X人日 | |
各種SNSの設定 | X人日 |
制作者側としてはクライアントに任せられる仕事の範囲を共通認識として持つことができ、「あれ?このページの原稿や写真はご用意いただけるのではなかったのですか?」などといったことを減らすことができます。各作業が誰の責任範囲で、今は誰がボールを持っている状態なのかを明確にすることができますので、曖昧さを排除することができてトラブル発生を回避できます。
最初にタスクを細かく洗い出す大変な作業の必要がありますが、それさえできていればトラブルは出なくなるのではと考えます。
※実際に実現するには他にもいくつかハードルは想定されますが、あるといいなと思うサービスの一つです。