デザイナーとしてセンスを磨くには、普段の生活からデザインを意識すること

これはリンクテスト

デザイナーとしてセンスのない人に対して、「君センスがないね」と言われるようなことはガチのプロフェッショナルが揃っている第一線の職場以外では日本ではほぼないと思いますが、確実に「あの人にはデザインを任せられない」と、本人がいないところで言われて、デザイン面では相手にされなくなっていってしまいます。

最近は海外を視野に入れていろんな話を聞いて考えるようにしていますが、ドイツだと直球で「あなたセンスないからデザインしないで」と言われるそうです。あまりにも直接的なのでそれが嫌という人も多いのだとか。ただ、言ってあげないと本人の為にならないですし、日本のように衝突を避けるために本音を隠してしまうと、「デザインができないデザイナー」なのにこれまで通りデザイナーとして接しなければならないというストレスが周囲に生まれてしまいます。それもよくないのではと思います。

そういったことも昨今の日本の経済発展の妨げになっているような気がします。できていないのであれば「きみはできていないよ」と伝えること。ケンカしたいわけではなくて、何がダメなのか理解してもらう必要があると思います。

ビジネス上の話だと、取引先に「あの制作会社はデザインがイマイチだよね」と言われ、デザインを依頼されることはなくなってしまうことは往々にしてあります。一度デザインでコケてしまうと自然とデザインの仕事がほとんど来なくなります。自分では「デザインからコーディングまでなんでもできるつもり」の人が、取引先からはコーダーとして認定されてしまう現象をたくさん見てきました。でも本人は「なぜかコーディングの案件ばかりになっちゃったんだよね」と言うのです。状況を正しく教えてくれる人もおらず、自分で気付くこともできずに。

そうならないためには日々デザインのトレンドを追って、センスを磨く必要があります。自分は「自分のデザインセンスが古くなっていないか?と自分のセンスを疑う」という作業をおこないつつ、日々デザインリンク集から細かいテクニックや新しい表現などを吸収して研鑽をおこない、デザイン力のアップデートをおこなってきました。

これまで広告代理店やWeb制作会社、DTP系のデザイン会社、印刷会社など多くのデザイナーを見てきた中で感じたことがあります。一般的なサラリーマンデザイナーがやってしまう悪い習慣があり、それは「普段の生活からデザインを意識できていない」ということ。日常生活をただ漠然と過ごしていて、世の中にあふれるさまざまなデザインが「なぜこのデザインなのか?」を考えられない人が多いと感じます。

例えば、家具を買い替えるにしても低価格だからという理由でデザイン性が低いものを選んでしまうと、日常生活からデザインを意識するということがなくなり、デザイナーとしての思考が活性化しません。もちろん低価格でデザイン性が優れたものもありますので、低価格な中でもデザイン性が優れた物を探すことは良いことだと思います。やたらとハイブランドの物を買うのもある種の思考停止だと言えます。

ハイブランドで自分が納得できるデザインに対してはお金を払うべきだと思いますが、ハイブランドというレッテルが先行してしまって大多数の人がデザインが良いとは思えない物を買ってしまう人もいます。それをするのは単なる思考停止したお金持ちであり、デザイナーとはいえないのではと個人的には思います。

自分は家族もいますし、自由に使えるお金がそんなに多いわけではない一般的なデザイナーなので、ハイブランドの物を見ながらも価格とのバランスを取り、デザインが良いものを探すように自分は心掛けています。たまには身の丈以上の物を買いつつ、抑えるべきは抑えてバランスの良いものを選ぶ。高いものがあることで割安だったものも高く見えたり、調和が出て全体の雰囲気のバランスが引き上げられたりもします。ハイブランドのお店で「ここからここまでください」とコーディネートをそっくりそのまま真似すれば、デザイン性は良いかもしれませんがそれも思考停止をしていることになります。

こういった意識があるかないかでも普段の生活からデザインを意識しているかどうかが見えてきます。

自分としてはデザインを会社に依頼するときに、そのデザイナーの私生活がもし仮に見えるとして、○トリなどの低価格でデザイン性の低い家具に囲まれたデザイナーには依頼したくないです。服装もしかりで、G○やユニク○だけで固めたデザイナーには頼みたくないです。そういった人が自分の望むデザインレベル以上のものを創れるとは思えないからです。

生活環境の中にデザイン性が高いものを置くことで、「なぜデザイン性が高いと感じるのか?」を考える機会になります。また、自分が理解しているうえでデザインの良い物を持つことにより、所有欲を満たし、それがデザイナーとしてのプライドを高めます。プライドを持つことでデザイナーとして然るべき美意識を保つことができ、「自分の価値を高めるには努力しなければならない」というプロ意識が芽生えます。日々研鑽している人はそのあたりの意識から違います。

やはり自分の実力に見合った以上の生活をして、日常の中からデザインを意識することが大事なのではと思います。

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